昭和31年04月06日 衆議院 法務委員会

[057]
自由民主党 高瀬傳
いろいろその事情はおありになるでありましょうが、私どもが全く釈然としないのは、不法に入国してきた連中、大村収容所の連中、朝鮮人1434名、これらの密入国者と刑余者をひっくるめて、それと日本の漁夫691名とを、あたかもそれらが一見交換と思われるような条件でこの取りきめが行われようとしておるわけであります。

しかも、日本の漁夫については、われわれは全然李ラインなどは認めておらず、釜山に抑留されておるわれわれの同胞は公海の自由の原則に従って漁業を営んでおった者で、これを刑余者などとは何ら見ておらないのでありますが、韓国から見て、刑を終ったと思われる者だけと交換するという。われわれの方は日本の国法に従って刑余者を収容しておる。



[063]
自由民主党 池田清志
朝鮮半島に不法監禁されている日本人を早く帰してほしいという気持からいたしまして、この不法監禁されている日本人と日本で合法的に自由を束縛しております朝鮮半島人との取引というような格好において外交交渉が進められておるという趣旨はわかります。その外交交渉のもとを作るために、外務当局・法務当局がいろいろと御苦労願っておることもよくわかります。私どもといたしましても、日本人が早く帰ってくるということを念願しているものであります。しかしながら、私は国内法的立場において物事を考えたいと思うのであります。先ほど来高瀬君も質問しておりましたが、もう少しお伺いしてみたいところがあるわけです。

これはあるいは幼稚なお尋ねであるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。大村収容所は、監獄と申しますか刑務所と申しますか、その性格は法律上どういうことになるわけでしょうか。

[064]
政府委員(入国管理局長) 内田藤雄
これは監獄でも刑務所でもないものであると存じております。つまり、たとえば密入国で参りました者が、密入国してきても収容施設がないためにどこへでも自由に動けるということでは、これは国際慣行といたしまして旅券ないしは査証を持って入国しなければならないという原則が全然無視されるわけでありますから、そういう者を当然ある一定の場所に収容することができるいうことは、これは国際慣行として十分に認められているところであると考えます。

それから、先ほど来申し上げておりますように、悪質不良の外国人を国外に追放するという権利は、これまた独立国として当然認められているものと考えている次第でございます。国内法、入管令にその基礎があるばかりでなく、国際慣行としても十分認められております。

そういたしますと、そういう退去を強制いたします場合に、やはりこれらをどこかに収容でもできるのでなければ、逃亡の危険もございますし、結局退去の実をあげることができなくなるわけでございますので、そういう意味において、収容いたす権利というものは、国際的な角度からも当然あらゆる独立国に認められておる。

そういう意味において収容をいたしますので、これは刑罪でもなければ矯正のための施設でもない。あくまで退去強制を確保するための、いわば本来ならば船待ち場であるというのが収容所の性格であろうと考えます。